『お金の寓話-感情編②』貯めても不安なリスと、風を読むフクロウ

森の奥に、木の実をたくさん集めるリスがいました。

春も夏も、リスはせっせと走り回っては、木の実を土に埋めていきました。

「これで冬も安心。これで未来も大丈夫。」

そう言いながら、リスは毎日、数を数えていました。

でも、夜になると、リスの心はざわざわしました。

「こんなに貯めても、まだ足りない気がする。

もっと集めなきゃ。もっと、もっと…」

ある日、リスは木の上で風に吹かれているフクロウに出会いました。

フクロウは目を細めて、静かに風の音を聞いていました。

「ねえ、フクロウさん。

どうしてそんなに落ち着いていられるの?

ぼくはこんなに貯めても、まだ不安なんだ。」

フクロウは羽をふわりと広げて言いました。

「リスくん、不安はね、貯めた量では消えないんだよ。

風を読めば、今どんな季節かがわかる。

そして、どんな準備が必要かも見えてくる。

大切なのは、“今の風”を感じること。

風を読むっていうのはね、今の森がどんな空気かを感じること。

木の実を集めるだけじゃなくて、どう守るか、どう育てるかを考えること。

未来の嵐ばかり怖がっていると、今の風に気づけなくなるんだよ。」

リスはしばらく黙っていました。

そして、土に埋めた木の実の場所を思い出しました。

たくさんある。でも、どこに埋めたか、もうわからないものもある。

「貯めることばかり考えて、風を感じることを忘れてたかも…」

その日から、リスは風の音を聞くようになりました。

木の実を集めることはやめなかったけれど、

「今日は風がやさしいから、少し休もう」

「この風は雨を運んでくるかも。木の実が腐らないようにしよう」

そんなふうに、風とともに暮らすようになりました。

そして、心のざわざわは、少しずつ静かになっていきました。

🍃 そっと添える知恵の葉っぱ:風を読むってどういうこと?

このお話は、“足りない”と感じる夜に読んでほしい物語です。

「風を読む」というのは、

今の季節や変化に気づいて、

木の実の価値や使い方を考えること。

物価の変化や制度のことを知って、

どう備えるかを選ぶことでもあります。

たとえば——

• 物価が上がると、同じ木の実(お金)で買えるものが減っていく

• 貯金だけでは守れないこともある

• 投資や制度(NISA・iDeCo)を使って、木の実を育てる選択肢もある

貯めることより、風を感じることが、心の安心につながるというお話です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!